20 W 29th St, New York, NY
様々なテイストの調度品が混在する洞窟のようなロビー。2009年に開業するや、ここはニューヨーク中のファッション関係者、ニューメディアやテクノロジー業界関係者がこぞって使うリビング兼モバイルオフィスとなった。それは今も変わりないが、彼らに交じって外国人旅行者やネクタイを締めたウォール街の銀行マン、くたびれたコンバースを履いた自転車便メッセンジャーなどの姿も多く見られるようになった。ホテルの名前は、トランプのエースから付けられた。ハイにもなればローにもなる。「すべての人に開かれたホテル」、それがエースホテルを動かす理念となっている。
エースホテルは今や、クールの代名詞として世界でも知られる存在となった。それを裏付けるかのように、ロビーでは多くの言語が飛び交う。客室は控えめにヒップ、且つ“ほどよくラグジュリー”な作りで、SMEG社製の冷蔵庫、ターンテーブル、マーティン社のギターなど、クールなアメニティも充実している。ペンドルトンのブランケット、革張りのソファ、インダストリアル系の備品に囲まれた客室にいると、まるでニューヨーカーのアパートに遊びにきたような気分に。ほぼ全ての部屋に、地元アーティストのオリジナル作品が展示されている。
エースホテルのハイライトは、何と言ってもその300平米を超えるロビー。宿泊客はフロントに来ると、皆そそくさとチェックインを済ませていく。なぜならば、一刻も早くこのロビーでSNSにログインし、ロビーの外れにある評判の「スタンプタウン・コーヒー(Stumptown Coffee)」の薫り高い一杯を味わいたいからだ。
二段ベッドの小部屋から70平米の角部屋スイートまで、あらゆる顧客の要望に応える形と広さの客室が用意されている。ミシュラン星付きのガストロパブ「ブレスリン(The Breslin Bar and Dining Room)」、オイスターバー「ジョン・ドーリー(The John Dory Oyster Bar)」、サンドイッチの名店「サブナンバー7(No.7 Sub)」をはじめ、食事の選択肢も豊富。
エースホテルはまた、個性的なショップが集まるアーケードの一面も併せ持つ。館内には旅行用品のセレクトショップ「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」や、ギフトショップ「プロジェクトNo.8(Project No.8)」など、旅を楽しくしてくれる名店が並ぶ。その他にも、すぐ隣にはエースホテルの創業者が立ち上げたヘアサロン「ルディーズ・バーバーショップ(Rudy’s Barber Shop)」や、NY発のオーダーメイド・フレグランスブランド「ルラボ(LE LABO)」もある。
エースホテルはロンドンやLAのダウンタウンにも進出しているが、ここニューヨークのエースホテルこそがブティックホテルの“総本山”だ。
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