Hansar/ハンサー

ラチャダムリ通りから外れた細道に面し、セント・レジスとフォーシーズンズの裏手に隠れるようにして建つハンサー。ここは私たちがコンテンポラリー・ラグジュアリーのカテゴリーで選んだベストホテルだ。全64室、モダンで広々とした客室とスイートルームを備え、一番下のクラスのスタジオタイプでも59平米以上ある。

室内には、大型の書斎机に調整可能なエルゴノミクス・チェア、ゆとりのある快適なソファが置かれ、たくさんのオリジナル・アート作品とタイ・シルクのアクセントがあしらわれている。近くにあるセント・レジスの最下級の客室と同じ値段で、ここでは82平米の広さで見事なチーク材のフローリングに高脚の大型キングサイズ・ベッド、そしてホテルの言葉を借りれば“バンコクで一番セクシーなバスルーム”（私たちもこれには同意する）を備えた「ヴァーティゴ・デラックス・スイート」に泊まれる。

窓は床から天井までの高さで、ほぼ全室にバルコニーがあり、無料のミニバーは中身が毎日補充される（シンハー・ビールもある！）。他にも嬉しいサービスとして、アイスペールの氷は毎朝補充してもらえ、ターンダウン・サービスもある。また、コンシェルジュ・デスクが非常に有能で仕事熱心だということも付け加えたい。

何しろ小規模なホテルなので、それほどホテルらしい雰囲気はない。つまり、活気は感じられないのだ。８階にある小さなプールとウッドデッキでは、ほとんど他の客と会うことはないし、申し分のない店であるにも関わらず館内のレストランは割と空いている。

客室で一番見晴らしが良いのはスタジオタイプだが、下水の臭いが気になる部屋があった（フロントデスクは、よくあることだと話していた）。

おすすめは、表通りに面したアーバン・スイートかヴァーティゴ・スイートだ。このホテルは両側をマンションとオフィスビルに挟まれているので、景色も日光もあまり期待できない。私たちのように、例え観光旅行中であっても仕事スペースが必要な人には、腰痛の心配のない素晴らしい書斎スペースを備えるハンサーは最適なホテルだ。

ホテルが提供する空港送迎リムジン・サービス（BMWセダン）は1,900バーツと、大手サービス会社AOTのレートと大して変わらない。総合点ではとても良いシティホテルと言えよう。