Hotel Amour/ホテル　アムール

流行の先端をいく注目のエリア・ソーピィ（Sopi／ピガール地区の南側）にあるキュートで愉快で超カジュアルなホテル――お金をかけずにヒップなパリを味わいたいなら、ホテル・アムールを推したい。手頃な価格の客室はどれもみな違った装いで、テレビやセーフティボックス、その他設備と言えるものは何もない。

冒険心と幾人かの恋人を道連れに世界を歩く旅人が一夜の宿を取る――ホテル・アムールはそんなホテルだ。

ホテル・アムールは、その名の通り“愛”が幾重にも満ちているホテル。ほとんどの客室にエロチックな写真が飾られ、世界的にも有名な東京のラブホテルと同様、部屋の時間貸しも行っている。

パリっ子の間では、ホテル・ラムールは人気のロビーレストランと美しい庭で知られていて、それらを目当てに混雑することもあるほど。 そして節約志向で旅慣れた旅行者の間では、（パリとしては）良心的な価格で知られている。宿泊料は、他の多くのホテルのような需要等に応じ変動するシステムではなく、季節料金で設定されている。

世界クラスのベッドや贅沢なトルコ綿のタオルはないが、バスルームにはホテル業界屈指のアメニティ「イソップ（Aesop）」を採用。きたきた、という感じか。

ナヴァラン通りの奥まったところに位置するこのホテル。すぐ近くにはパリでも指折りの活気があって面白い街路「マルティーユ通り」があり、フレンチや各国料理のレストラン、カフェ、ショップが軒を連ねる。絶対に外せないあのローズ・ベーカリー（Rose Bakery）は、もはやパリの名所と言っていいかもしれない。

アムールに泊まったら、安眠は出来ないことを覚悟しておこう。壁は薄く、外の騒々しさは半端ではなく、そして隣室の客はほぼ間違いなく愛の行為に勤しんでいるからだ。話のタネに１,２泊するのは良いが、足を踏み入れる前に自分の体面や品格とよく相談すること。心の準備が出来ていれば、大いに楽しめること請け合いだ。