5 Raffles Ave, Marina Square, Singapore
熱帯シンガポールの外気から、マンダリン・オリエンタルに一歩足を踏み入れるといつもホッとする。冷房の温度を北極並みにでも設定しているのだろうか、ここは間違いなく市内で一番よく冷えたホテルだ。この点に関する客の評価は賛否両論のようだが、ここは主にビジネス客向けホテルなので、冷房もスーツを着たゲストがちょうどよく感じる温度に調整しているのだろう。
並びにあるリッツ・カールトン・ミレニアよりも宿泊料は若干安い(客室はリッツのほうがスタンダードクラスで30%ほど広く、より豪華)。だが、マンダリン・オリエンタルも5つ星に相応しい高級感を感じさせてくれる。この街ではここに泊まれば安心、という信頼を確立し、リピーターも多いと聞く。
客室の内装はダークな色合いの木材を多用。エレガントなオリエンタル調の家具にカラフルなシルク使いでアクセントをつけたコンテンポラリー・アジアン・ラグジュアリーでまとめている。窓際に置かれた大型デスクはビジネス客には好評かもしれないが、観光客は天井から床まで高さのある窓の前にソファがあった方が嬉しいに違いない。
部屋の向きは、ベンジャミン・シアーズ橋と観覧車シンガポール・フライヤーを近景に東を見晴らす「オーシャン・ビュー」と、もう一方の「ハーバー・ビュー」の2タイプがあるが、少々紛らわしく誤解を招くネーミング。「ハーバー・ビュー」はマリーナ・ベイの素晴らしい眺めを指し、くすんだ色の海面と高層住宅の並ぶ様子を「ハーバー」と呼んでいるらしい。おすすめはハーバー・ビューだ。
このホテルは開業から20年以上が経ち、老朽化が進んでいる。2007年に部分的に手を入れてはいるものの、客室の一部は改装が必要な状態だ。
客室数527ということで、タクシー待ちの長い行列が出来たり、朝食のサービスに時間が掛かったりすることも覚悟しなければいけない。屋上の25メートルプールはこのホテルの最高の売りのひとつだが、ここも繁忙期には混み合うことがある。
ホテルには5つほどのダイニングがあるが、多くの人はホテル内のモートンズ・ステーキハウスで済ませたり、ホテル周辺にあるたくさんのレストランを探しに行ったりするだろう。シンガポールで最も美味しいステーキは、カット・バイ・ウルフギャングだ。肉のカットの仕方を選べるだけでなく、その年のベストカクテルを試すことができる。私たちが最も気に入ったカクテルはロンドン・コーリングだ。
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