The Marlton Hotel/ザ マールトン ホテル

5 W 8th St, New York, NY

マンハッタンのウエストビレッジに建つマールトンは、心休まる全107室のホテル。パリのリッツにも匹敵するラグジュアリー感がある一方で、客室の面積は恐らくリッツのクローゼットにも及ばない。しかしここはニューヨーク。客室の狭さは問題にならない。それを補って余りある歴史と趣が、マールトンにはあるのだ。古くは、『路上』などで知られる作家ジャック・ケルアックが、改装前のこの建物で何篇か執筆したと言われている。

マールトンは伝説的なホテリエであるショーン・マクファーソン氏の手による最新作だ。氏は、ニューヨークにある「バワリー(The Bowery)」「マリタイム(Maritime)」「ジェーン(The Jane)」、そして最近ではマンハッタンのロウアーイーストサイドの「ラドロー(The Ludlow Hotel)」の各ホテルの再生を手掛けたことでも知られている人物。

ヘリンボーン模様のフローリングや、廻り縁の装飾、壁付の照明器具、大理石仕上げのバスルームなどの意匠を凝らした内装は見事の一言に尽きる。客室の広さがたったの12平米であることに気付くまでは、さながら5つ星ホテルのようだと誰もが感じるだろう。ただ、客室に入ってみると狭さは意外と感じないものだ。ベッドの下はスーツケースをしまうのに十分な広さがある。このホテルで特筆すべきは、賑わいの絶えないロビー。部屋よりも、アメリカのミッドセンチュリーとパリのブティック・ホテルをブレンドしたような、スタイリッシュで心地良いこのロビー空間で過ごすゲストが多いことがその秀逸さを物語っている。

エスプレッソバー。FERNDELLのコーヒーを使用

ヨーロッパ風の温もりを感じる設え

マールトンの真骨頂は、やはり価格だろう。前回私たちが確認したときはまだお手頃だったが、今後もそれが続くとは考えにくい。ニューヨークのホテル室料があり得ないほど高騰している中で、ノマドが持つ雰囲気とサリーが持つ高級感を合せ持ち、且つ、少なくとも現時点では両者よりかなり安くステイを堪能できるのがマールトンなのだ。

ベッド以外のスペースはほとんどない

マールトン・バー

マールトンの仕掛け人は良い物語に纏わるものを好むようだ。ロビーにあるエスプレッソバー「ファーンデル(FERNDELL COFFEE ROASTERS)」もそのひとつ。1862年にシカゴで創業した会社が、LAを拠点とするコーヒーのカリスマの手によって蘇ったというストーリーだ。味の方はニューヨークNo.1とまではいかないが、ホテルのコーヒーとしては良い線をいっている。それに数ブロック先にはスタンプタウン・コーヒー(Stumptown Coffee Roasters)のウエストビレッジ店もある。

ホテル内レストラン「マルゴー(Margaux)」では、フレンチ・地中海・カリフォルニアのフュージョン料理を提供。マールトンに泊まらなくても訪れる価値ありだ。

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