Hotel Vernet/ホテル ヴェルネ

創業100年のホテル・ヴェルネはごく最近改修を終えたばかりで、どこから見てもモダンそのもの。まるで「モダンだと言ってくれ！」と叫んででもいるかのように、どぎついくらいに鮮やかな色のロビー家具、現代アート風のラグや派手な天井画を配し、やり過ぎ寸前といった感がある。だが、私たちがこのホテルを気に入っているのは、その清潔でコンテンポラリー且つ広々とした客室、手際の良いサービス（サンジェルマン・デ・プレにあるホテル・ベラミと同じチームが担当）、そしてパリの観光地のど真ん中に位置しながら比較的落ち着いた雰囲気を味わえるところゆえ。客室や廊下には、風格のあるオークを中心とした木材がふんだんに使われ、廻り縁を施した天井、オーガニック・コットンのカーテン、エルメスのバスアメニティが迎えてくれる。

このホテルは、シャンゼリゼ通りに軒を連ねるショップや人込みから100メートルと離れていない。タイムズ・スクエアの中心とかディズニーランドのマジック・マウンテンに泊まっているようなものだ。

最低クラスの客室で22平米以上だが、あと数ユーロ出して、もうちょっと広くて居心地の良い部屋に泊まる価値は十分あると思う。パリの態度の悪いタクシー運転手とケンカし、年中途絶えることのない観光客の波に揉まれて、一日の終わりにボロボロになってホテルに辿り着いたとき、きっとその少しのゆとりがありがたく思えるはずだ。

ホテルから通りを挟んだ賑やかなエリアにはブラッスリーがある。観光客や地元のフランス人がいないからと言って騙されてはいけない、実際とても美味しいお店なのだ。