シンガポール――ライオンシティのベストホテル

総面積たった276平方マイル（約715平方キロメートル）の島の都市国家としては、シンガポールにはあまりにも多くのホテルがあり、しかもその数は増え続けている。そのほとんどは、中央ビジネス地区（Central Business District, 略称CBD）またはショッピング街オーチャード・ロードの周辺にある。小規模なブティックホテルまたはデザイナーホテルもそれなりにあるが（1929、ワンダーラスト、ニューマジェスティック、ナウミリオラ）、やりすぎ感が強いか（ワンダーラスト）くたびれてきている割に室料が高いか（1929とニューマジェスティック）の両極。

このため、シンガポールの一押しホテルには、フォーシーズンズ、マンダリン・オリエンタル、リッツ・カールトン・ミレニアといったお馴染みの有名ブランドホテルや、フラートン・ベイ、パーク・ロイヤル・オン・ピッカリング（ここは立地、費用対効果、客室の広さやアメニティなど全ての面で文句なしに総合点第一位のホテル）などの地元発で成功しているブランドが並ぶ。

手頃な価格で中身本位の部屋をお探しなら、お勧めはカールトン・シティ・タンジョンパガーで、ここは立地がかなり良い（CBDの外れだが境界内にあり、市内でも最高のレストラン・バーが集まるダクストン・ヒルを中心としたエリアが徒歩圏内）。経費が会社持ちの出張者には、リッツ・カールトン・ミレニアかマンダリン・オリエンタル（客室はリッツのほうが広くて設備も上だが、マンダリンのほうが寛げて、しかも館内にモートンズ・ステーキハウスがある！）がお勧めだ。オーチャード・ロード周辺に泊まろうなどという勇気のある向きには―夜と週末になると22歳未満のシンガポール国民が一人残らずここに繰り出してくる―メインストリートを外れ深い緑に覆われたクールでクラシカルなフォーシーズンズが、五つ星の中でも手頃な価格でよいだろう。

セントーサ島の六つ星リゾートホテル、カペラを絶賛する声を聞くが、我々にはそれほど感動はなかった。セントーサ島は引きこもりたくなるほどの場所でもないし、宿泊料が国内でも一、二という高さだからだ。

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