Hotel Icon/ホテル アイコン

アジアの中でもとりわけホテル代が高いといわれる香港に、2011年オープンしたホテルアイコン。他の５つ星ホテルに比べありえないほど手頃な価格で、設備の整った上質でモダンな部屋を提供し、業界人や賢い旅行者たちの注目を一身に集めた。 その勢いは現在も衰えることなく、他のホテルとは比較にならないほどのとっておきの価格でファンを増やし続けている。

地元香港出身の建築家とデザイナーがタッグを組み、さらに世界的に有名なデザイナー、テレンス・コンラン氏を迎え完成した、ホテルアイコンは実にユニークな空間。そのユニークさを象徴するひとつが、香港理工大学からの研修生の存在だ。ホテル学や観光管理学を学ぶやる気に溢れた若きスタッフたちがGAPストアのような洒落た制服で、最高のサービスを目指し日々奮闘している。

このホテルの客室は最低でも36平米以上と香港の中でも広い方で、５つ星の称号に相応しいサービスを提供しているが、インテリアに関してはゲストの琴線に触れることは少ないかもしれない。例えば全ての客室に配された北欧デザインのカルセリチェアー。高いデザイン性は魅力だが、実際には“一番座り心地のいい椅子”とは言い難いのだ。しかし、デスクチェアは調節が利き仕事の効率が上がりそうな逸品。出張者には最適といえるだろう。この他にBOSEのサウンドシステム、深さがあり広々としたバスタブ、そして独立したシャワーブースも完備されている。

毎日補充されるミニバー、館内すべての場所で使えるハイスピードＷi-Fiといった、もはや香港のホテルのトレンドになりつつあるサービスは、もちろん無料で完備。その上、インターネットや国際電話を無料で利用することができるスマートフォンまで用意されている。

ホテルアイコンの立地の悪さを指摘するゲストもいる。しかしこれはほんの些細なことだ。最寄りのMRT駅まで徒歩5分、そして繁華街である九龍中心地とフェリー乗り場まで無料のシャトルバスが運行している。その上、香港の安くて便利なタクシーもすぐに捕まえる事が出来るので、どこへ行くにも困る事はないだろう。

グチャっとした卵と、しんなりしたベーコン――我々The Listは、こんな食事のファンではないので、ホテルで朝食をとることはあまりない。しかしホテルアイコンの朝食は、オプションとして追加するに値する上質なビュッフェだ。