12 Rue de Marignan, 75008 Paris
同じくカルチェ・ラタンにあるもう一軒のホテル「マリニャン」と区別するため、ホテル予約サイトでは「ホテル・マリニャン・シャンゼリゼ」と表記されているこのホテル。コンテポラリー・ラグジュアリーの秘宝とも言える存在で、パリでも指折りのホテルだ。
玄関の扉は印象的な錬鉄製、ドアの下枠はジンバブエ産の重量感のある石材、周りは真っ白なアールデコ調の壁で縁取られている。オーナーと著名なデザイナー、ピエール・ヨヴァノヴィッチとのコラボレーションによりデザインされたこのホテルは、「ニューフレンチ・スタイル」(というらしい)を体現したもの。防音の効いた客室は、ソフトな木質調のインテリアにパリっと糊の効いた真っ白なリネン類、そして少々ちぐはぐだがバスルームの床は黒い大理石のタイル貼りという仕上がり。50ある客室とスイートルームは全てデザインが異なり、それぞれに違う作り付けの家具と近所のギャラリーで選んだと思われる上質なアート作品が配してある。
パリでも最上級のショッピングエリアの中心にある、シンプルで飾り気のないホテルをお望みであれば、マリニャンはぴったりの選択だろう。
館内には素晴らしいプライベート・シアターがあり(パリには上映室を設けている高級ホテルが驚くほど多い)、DVDのコレクションは250本を数える。座席は、世界的に評価の高いエアラインのファーストクラスの座席を思わせる……というかむしろ座り心地はこちらの方が上かもしれない。
もし予算が許すなら、是非ともデラックス・ルームに泊まりたい。このタイプは、ほとんどの部屋が28平米以上の広さと、約4.5メートルもの天井高がある。また客室には、秀逸な音響システムがあるが、室内装飾に実に上手く紛れているので見逃さないように。
毎日補充されるバスルーム・アメニティは、お持ち帰りせずにはいられないエクス・ヴォート社(Ex Voto)のもの。ゆったりしたロビーラウンジは何故かあまり人気がないが、ここでは月に何回かピアノライブがあり、毎週木曜日にはDJが入る。
今のところ室料は朝食込みとなっているが、居心地が良く自然光の入るレストランで真っ当な朝食が用意されるので損はない。
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